7 日前農協が月に行っていた時代への復讐すれ違いが困難な細い道路は、ところどころアスファルトが剥がれ、今にも崩れ落ちそうな廃業旅館が立ち並ぶ。 会津東山温泉は会津若松市街から車で10分、鶴ヶ城から3キロと、若松市内に住む人が羨ましくなるほど、市街地に隣接している。...
9月2日カメラを持つ男5つ星のうち5と評価されています。(2)「写真を撮らせてもらえませんか?」 傾いた廃屋にカメラを向けている男が突然話しかけてきた。 「ここは私の家ではないので、私に聞かれても困ります。」そう答えると、男は少し困ったような顔をして「いえ、建物ではなくてあなたを撮らせていただきたいんです。」と言った。 正気なのか?...
8月5日 「湯の町のおんな」流れ流れて湯の町小路 今日も昨日もあなたは来ない どうせアタシはかりそめの女 あなたにとっては夢の中 それでもアタシはあなたを待つの いつも気まぐれ意地悪な指 明日もきっとあなたは来ない どうせあなたは夜汽車の窓に 映る右手の指を眺めて 勝手な夢を見ているのでしょう...
7月1日 「4畳半のあたし」またコイツか。 階段を上がる足音でわかる。最近来るようになった、70代後半のジジイ。いつも勃たないくせに、アタシの中に固くならないそれをねじ込もうとするその行為が、滑稽であり、うっすら気の毒でもあるが、うんざりする気持ちが90パーセント。なんでそんなにしてまで挿入、射精に固...
6月3日2月「大阪 住之江のアパート」2月にしては暖かなその日、一人暮らしの部屋でぼんやりしながら、女はこのアパートに越してきた日のことを思い出していた。 あの日もこんな、暖かい日だった。春とは名ばかりの冬の寒さの残る季節、夕暮れの空は澄み渡っていた。 女は、若いころに錦糸町のスナックでアルバイトをしながら、D...